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離婚時に面会交流は取り決めるべき?決め方や離婚後守られなかった場合の対処法
子どものいる夫婦が離婚する場合に、取り決めるべきこととして面会交流があります。
今回は面会交流は取り決めるべきなのか、また守られなかった場合の対処法などについて考えていきたいと思います。
面会交流とは?
面会交流とは、離れて暮らす親と子どもが定期的に会ったり連絡を取ったりすることを指します。
離婚によって親子が別々に暮らす場合、子どもの健全な成長を支えるために、もう一方の親と継続的な関係を保つ手段として重要であるとされています。
というのも、子どもにとって、両親のいずれか一方とだけの関係にとどまるのではなく、両親の存在を身近に感じながら成長することは、情緒面や社会性の発達においても大きな意味を持つと考えられているからです。
また、面会交流権は、法律でも規定されている子どもの権利でもあります。
そのため、親同士の感情ではなく、子どもの福祉を最優先に考えて取り決めるべきものです。
面会交流を取り決める意味とは
面会交流をあらかじめ取り決めておくことには大きな意味があります。
取り決めがあることで、親同士のトラブルを避け、子どもにとって安定した環境を整えることができます。
面会交流の頻度や方法、連絡手段、場所、送り迎えの担当などを具体的に決めておくことで後々のトラブルを回避できる可能性があります。
将来的に子どもと暮らせる可能性もある
面会交流は、単に親子が会うだけでなく、将来的な関係の再構築にもつながる可能性があります。
子どもが幼いうちに離婚する場合、親権は「母性優先の法則」の観点から、特別な事情がない限り、女性が持つ可能性が高くなります。
実際に離婚した子どもの夫婦のうち8割は、母親が親権を得ています。
父親側は、親権を取得したくても、現段階では環境的に難しいといえます。
そのため、面会交流を細かく取り決めることによって、子どもとの関係を維持することが非常に重要です。
面会交流を続けてきた結果として、子どもがある程度、意思表示ができると年齢まで成長したときに一緒に暮らせる可能性があります。
というのも子どもの親権は、ある程度の年齢になること、子どもがどちらの親と暮らしたいかという意思が非常に重要となるからです。
面会交流を継続するには、無理のない範囲で行うこと、子どもの気持ちに寄り添う姿勢が求められます。
子どもにとって最もよいかたちを考えながら進めていくことが大切です。
離婚時に面会交流に取り決める方法
面会交流の取り決めは、離婚手続の中で行うことが可能です。
それぞれ確認していきましょう。
離婚協議で取り決める
面会交流の決め方として、まず当事者同士の話し合いによって面会交流を取り決めることを目指します。
面会の頻度や時間、場所、方法、連絡手段などについて具体的に合意しておくことが重要です。
合意した内容は、離婚協議書の中に盛り込み、文書化し、両者の署名・押印をもって保存しておくとよいでしょう。
文書で残すことによって、後にトラブルが起きた際にも、話し合いの根拠として利用することができます
離婚調停で取り決める
離婚協議で面会交流の合意を得ることが難しい場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて話し合うことができます。
なお離婚調停では、面会交流の他に、親権や養育費、財産分与、慰謝料なども併せて話し合うことが可能です。
離婚調停では調停委員を介して話し合いを行い、面会交流について決めていきます。
必要に応じて、家裁調査官という者が夫婦や子ども、学校などに聞き取り調査を行い、環境などを確認することもあります。
調停が成立すれば、その内容は調停調書に記載され、法的拘束力を持つことになります。
調停を通じて取り決めた内容は、後から一方的に変更することができず、遵守することが求められます。
離婚後でも取り決めは可能
面会交流の取り決めは、できるだけ離婚前に取り決めるべきです、
とはいえ、夫婦間の対立が大きく、最低限親権だけを取り決めて離婚するケースも少なくありません。
離婚後に子どもとの面会交流を行いたいときには、元夫婦間で話し合いによって取り決めることが理想です。
夫婦間の話し合いであれば、話し合いの場や方法などが限定することなく行うことができます。
しかし、離婚の原因などによっては、親権者は非親権者に対し悪感情を抱き、連絡をとっても無視されてしまうこともあります。
このような場合には、家庭裁判所に面会交流の申立てをして、話し合うことで取り決めする方法があります。
面会交流の実施にあたっては、子どもの年齢や生活環境、本人の意思などを総合的に考慮する必要があります。
家庭裁判所はこれらの事情を踏まえ、子どもの最善の利益にかなうかどうかを基準に調停を進めることになります。
面会交流の約束が守られなかった場合の対処法
面会交流の約束が守られなかった場合には、まずは当事者間で話し合いを行うことが基本となります。
それでも解決しない場合、面会交流調停を行って、取り決めすることが大切です。
というのも調停、もしくは審判で面会交流について取り決めた場合、家庭裁判所に履行勧告や間接強制などの手段を利用できるためです。
ただし、法的な手段を講じる際も、子どもの心情に十分配慮した対応が求められるため、感情的に元配偶者を追い詰めるようなやり方は避けるべきといえます。
まとめ
今回は面会交流とは何か、また取り決め方や実施されなかった時の対処法について考えていきました。
面会交流は子どもの権利であり、非同居親の権利でもあります。
現在離婚を考えている方や、面会交流の約束が守られていないなどで困っているようなときには、弁護士に相談してみてください。
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弁護士紹介
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菅沼 圭Kei Suganuma
当事務所では個人の法律問題はもちろん法人の企業法務まで幅広い法律問題に対応しております。
どうぞお気軽にご相談ください。
- 所属団体
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- 静岡県弁護士会(登録番号50851)
- 経歴
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- 出身地 駿東郡小山町
- 2007年3月 静岡県立沼津東高等学校 卒業
- 2011年3月 中央大学法学部法律学科 卒業
- 2013年3月 中央大学法科大学院 修了
- 2013年9月 司法試験合格
- 2013年11月 最高裁判所司法研修所入所(第67期司法修習生)
- 2014年11月 司法修習終了
- 2014年12月 弁護士登録(静岡県弁護士会)
- 2015年1月 細沼法律事務所(沼津市)にて勤務開始
- 2020年5月 細沼法律事務所を退所、菅沼法律事務所を開設
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事務所概要
Office Overview
事務所名 | 菅沼法律事務所(静岡県御殿場市) |
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弁護士 | 菅沼 圭(すがぬま けい) |
所在地 | 〒412-0042 静岡県御殿場市萩原631番地2 富士ビル2階 |
TEL/FAX |
TEL:0550-75-7005 / FAX:0550-75-7006 |
営業時間 | 9:00~17:30 |
定休日 | 土・日・祝日 |
その他 |
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