01
交通事故の慰謝料請求は自分でできる?請求方法と弁護士依頼のメリット
交通事故の被害に遭った際、身体的な痛みや不自由な生活を強いられることに対する精神的な苦痛への補填として支払われるのが慰謝料です。
多くの被害者の方は保険会社から提示される金額をそのまま受け入れるべきか、あるいは自分自身で交渉を行うべきかという問題に直面します。
今回は、交通事故の慰謝料の種類、自力での請求が検討されるケースなどについて解説します。
交通事故における慰謝料とは?
交通事故の賠償金には、治療費や休業損害、壊れた車の修理費といった実損害だけでなく、精神的苦痛を金銭で評価した慰謝料が含まれます。
慰謝料は事故によって失われた平穏な生活や、心身の傷に対する償いの意味を持っています。
大きく分けて3つの項目が、実務上の算定の基礎となります。
入通院慰謝料
入通院慰謝料とは、交通事故で怪我を負い、その治療のために入院や通院を余儀なくされたことに対する精神的苦痛への賠償金です。
この金額は原則として治療に要した期間や、実際に病院へ通った日数に基づいて客観的に算出されます。
怪我の部位や程度も考慮されますが、基本的には治療の長さが苦痛の度合いを測る指標となります。
適切な頻度で通院を継続することは、自身の健康回復だけでなく精神的苦痛を法的に証明する根拠としても機能します。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料とは、治療を継続したものの症状が完治せず身体に永続的な障害が残ってしまった場合に支払われる賠償金です。
この慰謝料を請求するためには、損害保険料率算出機構などの機関から「後遺障害等級」の認定を受けることが前提条件となります。
等級は症状の重さに応じて第1級から第14級まで分類されています。
第1級に近いほど重い障害でありそれに比例して慰謝料の金額も高額に設定されます。
後遺症によって将来の生活や仕事にどのような不利益が生じているかを医学的に証明する過程が、適正な評価を得るために欠かせない対応となります。
等級認定の結果ひとつで受け取れる金額が数百万円単位で変動するため、一連の流れの中で最も慎重な判断が求められる項目です。
死亡慰謝料
死亡慰謝料とは、交通事故によって被害者が亡くなった際、本人およびその遺族に対して支払われる精神的苦痛への賠償金です。
亡くなった本人が味わった無念の思いと、大切な家族を突然失った遺族が負う深い悲しみの両方を合わせたものを指します。
金額の目安は、亡くなった方が家庭内でどのような役割を果たしていたか、たとえば一家の支柱であったのか、あるいは独身者であったのかといった状況によって変動します。
また、事故の態様が極めて悪質である場合などは、さらに増額の調整が行われることもあります。
遺族の範囲や請求権の帰属について正しく整理することが、法的解決への第一段階となります。
交通事故の慰謝料を自力で請求できるケース
交通事故の慰謝料請求は、必ずしも専門家を介さなければならないわけではありません。
特に特定の状況下においては、被害者自身が手続きすることもできます。
たとえば、相手方が任意保険に加入していない場合に、自賠責保険に対して直接請求を行うケースです。
これを被害者請求と呼びます。
相手方のドライバーが無保険であったり資力がなかったりする場合、被害者は相手を待っていても賠償を受けることができません。
このようなとき、すべての自動車に加入が義務付けられている自賠責保険の窓口に対して、自分自身で必要書類を提出して請求を行うことができます。
自賠責保険は被害者救済を目的とした制度であるため、手続きの書式は一定程度定型化されており、一般の方でも時間をかければ対応が可能な手順となっています。
具体的には、事故証明書、医師の診断書、診療報酬明細書、および通帳の写しなどを揃えて、相手方の自賠責保険会社に送付する一連の作業を行います。
自賠責保険のみに請求する場合、支払われる金額は法律で定められた上限額の範囲内に限定されます。
しかし相手方から全く支払いが得られない状態においては、この公的な補償を自力で確保することは、生活を守るための重要な防御策となります。
また、怪我が軽微であり加害者側の任意保険会社が提示する金額が自分の予想と大きな開きがない場合も、自身での示談交渉で解決するケースがみられます。
交通事故の慰謝料は弁護士に依頼すべき
自力での請求が可能である一方で、交通事故の慰謝料問題において弁護士のサポートを受けた方が良いケースは少なくありません。
弁護士に依頼すべき理由として、まず挙げられるのが慰謝料の算定に用いられる基準の存在です。
交通事故の慰謝料には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判所基準)の3つが存在します。
もっとも高額なのは弁護士基準です。
被害者が自身で保険会社と交渉を行う際、保険会社は自社の内部基準である任意保険基準に基づいた金額を提示してきます。
弁護士基準に比べると2分の1から3分の1程度の金額であることも少なくありません。
弁護士が代理人として交渉に入ることで、保険会社に対して「裁判になればこの金額が認められる」という法的な根拠をもとに、弁護士基準での支払いを求めることが可能になります。
次に、交渉の精神的負担の軽減です。
保険会社の担当者は、日々多数の事案を扱う交渉のプロです。
怪我で心身ともに疲弊している被害者がプロの担当者と対等に渡り合い、法的な論点を整理して主張を貫くことは困難といえます。
弁護士に依頼すればすべての窓口を一本化できるため、不快な電話連絡や不当な減額要求に直接対応する必要がなくなります。
また後遺障害の等級認定においても、弁護士は医学的な証拠の集め方や医師への依頼方法について専門的なアドバイスを提供してくれます。
非該当とされた場合であっても、異議申し立てという高度な手続きを代理し認定を得られるように対応してくれます。
まとめ
今回は、交通事故の慰謝料の種類、自力で請求できるケースなどについて解説しました。
交通事故の被害回復は、単なる現金の受け取りではなく自身の人生を元通りにするための権利の行使です。
保険会社とのやり取りに疑問を感じたり後遺障害の不安を抱えていたりする場合は、交通事故に精通した弁護士に相談することをおすすめします。
02
当事務所が提供する基礎知識
Main Business
-
交通事故の休業損害と...
・交通事故のけがで働けないから、休業補償がほしい・交通事故の休業損害はいつからもらえるの 交通事故の休業損害をできるだけ早く受け取るにはどうしたらいいのでしょうか。本記事では、自賠責保険の休業損害で補償される金 […]
-
相続財産の対象になる...
ひとが亡くなった後に残される財産には、相続の対象になるものとならないものがあります。何が対象となるかを正確に理解しないと、相続手続きでトラブルになるリスクがあるため注意が必要です。今回は、相続財産の対象になるものとならな […]
-
自己破産手続きにかか...
借金などの債務が支払い不能になってしまった場合の法的救済措置として自己破産があるというのはご存じの方は多いでしょう。他方で、自己破産をしたいが手続きにいくらくらいかかるのか、どういった書類が必要になるのかといった点につい […]
-
国選弁護人と私選弁護...
国選弁護人と私選弁護人の違いとしては、まず誰が選任するかという点が挙げられます。国選弁護人はその名の通り国が選んだ弁護人であり、私選弁護人は、被疑者(俗にいう容疑者)や被告人(起訴された被疑者のこと)、その家族などが私的 […]
-
相続財産と相続人の範...
相続財産とは、相続により相続人に承継することになる被相続人の権利義務一切のことを言います。つまり、被相続人が亡くなった時点で有していた預貯金や不動産などのプラスの財産と、借金などのマイナスの財産のすべてが相続財産に含まれ […]
-
自己破産をすると就職...
事情は人によってさまざまですが、毎月の借金返済に困っている方は少なくありません。そのような際には、債務整理を検討することになります。債務整理の1つの方法として、自己破産が存在します。ここでは、自己破産についてご紹介します […]
03
よく検索されるキーワード
Search Keyword
04
弁護士紹介
Lawyer
菅沼 圭Kei Suganuma
当事務所では個人の法律問題はもちろん法人の企業法務まで幅広い法律問題に対応しております。
どうぞお気軽にご相談ください。
- 所属団体
-
- 静岡県弁護士会(登録番号50851)
- 経歴
-
- 出身地 駿東郡小山町
- 2007年3月 静岡県立沼津東高等学校 卒業
- 2011年3月 中央大学法学部法律学科 卒業
- 2013年3月 中央大学法科大学院 修了
- 2013年9月 司法試験合格
- 2013年11月 最高裁判所司法研修所入所(第67期司法修習生)
- 2014年11月 司法修習終了
- 2014年12月 弁護士登録(静岡県弁護士会)
- 2015年1月 細沼法律事務所(沼津市)にて勤務開始
- 2020年5月 細沼法律事務所を退所、菅沼法律事務所を開設
05
事務所概要
Office Overview
| 事務所名 | 菅沼法律事務所(静岡県御殿場市) |
|---|---|
| 弁護士 | 菅沼 圭(すがぬま けい) |
| 所在地 | 〒412-0042 静岡県御殿場市萩原631番地2 富士ビル2階 |
| TEL/FAX |
TEL:0550-75-7005 / FAX:0550-75-7006 |
| 営業時間 | 9:00~17:30 |
| 定休日 | 土・日・祝日 |
| その他 |
※お電話のみでのご相談はお引き受けしておりません。 ※初回相談有料(受任した際の着手金に含まれます。) |

